風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

成人の日コンサート

晴れました。風が冷たくて寒いです。
明日14日(火)に、wowow で「キツツキと雨」が放送されます。
【 wowow キツツキと雨 】
30日にも放送がありますね。とても良い映画でした。
またこういう映画にも出てほしいですよね。
沖田監督とも、またお仕事してほしいと思います。


さて今日は成人の日ですね。
成人を迎えた方、おめでとうございます!
小栗くんは2007年に「成人の日コンサート」の語りをつとめています。
会場はサントリーホール。ではその日のブログから。


成人の日コンサート


まず、ヴァイオリンソロ、鍵冨弦太郎さん。
1曲目が、バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調「ルール」
これは映画「羊のうた」で、あの一砂がレコードに針を落とすシーン。
「去年の夏、僕は何をしていたんだろう。その前の夏も。
 僕の時間は止まってしまった。」というモノローグの後、流れる曲でした。
この曲を生で聴けて、とても嬉しかったです。
この日成人式を迎える鍵冨さんの、静謐で清らかなヴァイオリンの音色でした。
他1曲の演奏があって、能の「連獅子」(歌舞伎とは違うんですね)が披露されて、
ここまでで30分くらい。その後20分休憩が入って、「蝶々夫人」が始まりました。


音楽物語「蝶々夫人」    蝶々さん 佐藤しのぶ
                  指揮    井上道義
                  管弦楽  新日本フィルハーモニー交響楽団
                  語り    小栗旬


小栗くんは黒の細身のスーツ。最初はグレーの上着
スラッとして、足が長くて、格好よかったです。
上手からスタスタッとゆっくり現れて、
スツールに腰掛ける感じで、朗読が始まります。
少し高めのスツールなので長い足が強調されて、
右手に本を持って、素敵でした。
朗読が終わると、また舞台の袖に入っていって、
このときのゆっくりとした大股の歩き方も好きでした。
その朗読の後、オペラが演奏されるという感じが、3、4回、繰り返されます。
やはり声がとてもいい声ですよね。うっとりします。
マイクを通しての声でしたが、甘く優しい心地よい声でした。
そして、オペラの雰囲気を壊さず、じゃませず、
でも指南役としてりっぱに成し遂げて、プロの仕事ぶりを感じました。
朗読は、成長した蝶々夫人の子供が、過去を回想しながらというもので、
ときどきその中で、劇中の人物になったり、それこそ蝶々夫人になったり、
いろいろな声音も使いわけていて、惹き込まれました。
すごく詩的な文章で、今小栗くんが読んでいるその本がほしいって思ったくらい。
蝶がいろいろなたとえになっているんですね。
美しさ、希望、儚さ、そして捕らわれ、標本にされる蝶。
“嫌、嫌、私を針で刺さないで”
そしてピンカートンの蝶々さんを見捨てることに対しての後悔。
“私のついた嘘はどこへいくんだろうか”
それらが美しい言葉で小栗くんの口から語られていました。
そしてなんといっても、生で初めてオペラを聴きましたが、素晴らしかったです。
前に中日新聞に載った記事に、佐藤しのぶさんが
「舞台は聞く人たちに歌の魂が伝わったか、伝わらなかったかのどちらか。
それはいい練習ができたかどうかにかかわる」と仰っていて、
やはりその何かをとても感じました。それが歌の魂だったでしょうか。
とくにあの「ある晴れた日に」。
蝶々さんのいじらしい一途な思いに涙が出てきてしまいました。
歌は日本語訳があの舞台中央の荘厳なパイプオルガンの両端に、
2行づつ、出ていました。
そのパイプオルガンも星空のような照明になったり、とても綺麗でした。
アンコールは拍手が鳴り止まず、2、3回、出たり入ったりしました。
ここで初めて小栗くんの笑顔が見られました。
皆さん、並んで出てこられて、蝶々夫人の子供役の子が可愛くて、
私が見た感じでは、小栗くんは、その子と手をつなぎたそうだったのですが、
間に、指揮者の井上道義さんが入ってこられたので、
断念したように思えました(笑)。
オーケストラの生音も久しぶりに聴いて、気持ちよかったです。
アンコールに短い曲、1曲、演奏してほしかったなあとか思いましたが、
でも素敵なコンサートでした。
アンコールでの綺麗に微笑む小栗くんを見ながら、
こうやってオペラに身を置く彼を見て、
きっとお父様はお喜びだろうなあって思っていました。


本当に、上品で素敵な綺麗な小栗くんでした。
オペラと聞くと、小栗くんのお父様を思い出すのですが(笑)、
小栗くん、こういうコンサートをライフワークにすればよかったのにと思います。
そうすればお父様も嬉しいですよね。
やはり全然違う道を歩んでいるようにみえても、
血は争えないを実証するように、
おのずとそれと関係したような道に導かれることってありますよね。
だから小栗くんも音楽家の役とか、主題歌にオペラの有名な旋律が使われるとか、
何かあるような気がするのです。
これからずっと先かもしれないですけど、
そこでもうひとつ、花開く感じがします(笑)。