風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

カッコーの巣の上で 東京千秋楽

曇り空です。
昨日、「カッコーの巣の上で」東京千秋楽を観てきました!
今回の舞台はこれが最初で最後、1回のみの観劇になります。
最初で最後が、千秋楽だったので、
なかなか心がついていかないような気もしましたが(笑)、
まずはカーテンコールの様子を書いていこうと思います。
それぞれ演者の皆さんが現れて、拍手を浴びていきます。
その拍手は、武田さん、大東くん、神野さん、
どんどん大きくなっていき、最後、小栗くんが登場して、
最高潮に達しました。
全員揃うと、ひときわ感極まった感じの神野さんの様子が見えて、
こちらも感極まったり、そうこうしているうちに、
小栗くんが拍手を止めて、挨拶。
感謝の思いと大阪公演を頑張ること、この芝居を選んでくれてありがとうとのこと。
その後、突然、大東くんへ挨拶を振って、
大東くんが困ってしまい、その様子にまた大歓声。
大東くんは、こんな千秋楽を迎えられて、幸せものです。
そんな感じの挨拶をして、また大歓声に包まれていました。
カーテンコールは4回か5回だったかな。
2回目あたりから、そこかしこで立ち始めて、
3回目にはスタンディングオベーションになりました。
小栗くんは、あの貴公子のようなお辞儀を一度だけしてくれて、
後は手を振ってくれました。
私は左側だったので、最後、幕から、長く伸ばした手だけが見えて、
でも長い指が感じられる素敵な手で(笑)、
なんだか可愛かったです。
皆さんから精一杯演じた充足感みたいなものも伝わってきて、
清々しく感じたカーテンコールでした。
井上ひとみさん、みにーさんも千秋楽を観劇されたそうで、
【 風色の椅子 BBS 】に感想を書いてくださいました。
ありがとうございます。読んでみてくださいね。
複数回観ると、いろいろ発見がありますよね。
そうそう、大東くん、小栗くんから挨拶を振られたときに、
客席から「がんばって〜」という声が飛んでいました(笑)。


婦長役神野さんのブログにも千秋楽のことが書かれています。
【 神野さんのブログ 】
今日の千秋楽は熱かった!
お客さまもとても熱く、
役者さんたちの演技もとても熱かったように感じます。
長い長い公演、最後の力をふりしぼって、
東京の最後を素晴らしい形で終えることができました。
みなさんの熱い拍手、本当にありがとうございました。
小栗さん、大東さんの最後の挨拶もステキでしたね。
本当に素晴らしい座組なんです。
カッコーは、休むまもなく兵庫に飛んでいきます。


こうやって書いてくださると、その場で観ていた私たちも、
嬉しくなりますよね。こちらこそ感謝です。
では「カッコーの巣の上で」の感想を書きたいと思いますが、
ネタばれを含みますので、読みたい方だけお願いします。









カッコーの巣の上で           演出       河原雅彦
                       マクマーフィ   小栗旬
                       ラチェッド婦長  神野三鈴


厳しく辛い物語でした。
私はほとんど情報を入れず観たので、
ある特別な手術の名前が出てきたときに、
あの時代のお話なんだと思いました。
まだまだ人種差別がひどかった頃のアメリカの、
閉鎖された空間、精神病院。
患者たちはそこから出たいと思うべきなのに、
社会の冷たさに怯えて、何故か自ら足枷をして、
その支配的な病院に留まります。
その足枷を取ってやろうとしたのがマクマーフィでした。
それは正義感というよりも、人間の本来の姿を取り戻すべきという、
本能からの行動に思えました。
人間の尊厳って何だろう、本当の自由って何だろう、
いろいろと考えさせられる物語でした。
マクマーフィは、小栗くんの陽の部分が役になっているようでした。
明るく前向きで行動力があってへこたれず、
知らず知らずのうちに皆に影響を与えていて、
パワーがありリーダーであり、そして皆の希望の光のようでした。
そこに、お調子者で下品で女好きで等々が加わり、
小栗マクマーフィが構築されていました。
そのマクマーフィと対決するラチェッド婦長は、
一見高圧的ではないのに、言うことをきかないと、
この先はないような、患者の弱みを握り、
残酷な部分が見え隠れするような、しかし美しい婦長でした。
二人が大車輪のようにがっつり組み合い、素晴らしい演技を繰り出すので、
その熱さと勢いと、他の皆さんもその車輪に組み込まれるように、
カッコーの巣の上で」の排斥された人々の惨めで苦しく、
でももがいていく世界感が見事に表現されていました。
大東くん演じるビリーは、純粋で綺麗で脆くて弱くて、
とても可哀想でした。
鋼太郎さん、武田さんはもちろん、チーフ役の山内さんも印象的でした。
音楽も最小限に限られ、照明はときどき建物の壁が、
プロジェクションマッピングのように、滝になったりするのみで、
本当に、純粋に役者さんたちの演技を味わう場所になっていたように思います。
でも本当に小栗くんはもう安心して観ていられますよね。
堂々たる座長でした。
相変わらず、ひと際背が高くて、スタイルが良くて、
格好よかったです。
そうそう歌声も聞こえて嬉しかったです。軽やかで良い歌声でした。
暗い物語なのですが、笑いどころもときどきあったり、
カッコーの巣の上で」、真摯な演劇的空間でした。


しかしこれで、「あかいくらやみ」「カッコーの巣の上で」と、
それ系の(どれ系?笑)作品が続いたので、
次回作は、あの舞台映えする彼の持っている華が、
最大限に活かされるような作品に出てほしいです。
たとえばシェイクスピアハムレット」とか(笑)。
息を呑むような美しい容姿、彼の口から語られる詩的で美しい台詞たちに、
是非是非、溺れてみたいです!