風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

BORDER 贖罪 感想

よく晴れました。
すみません、諸事情があって、2ヶ月更新できませんでした。
その間も来てくださった方々、本当にありがとうございました!
ご心配をおかけました。待ってくださる方がいるということ、とても感謝です。
こんなブログですが、よかったらときどきお付き合いくださいね。
またぼちぼち書いていこうかなと思っています。
よろしくお願いいたします。


さて小栗くんは今日、ペプシの新しいCM が解禁になったり、
12月3日は「一万人の第九」の朗読、
それからシークレットイベント、「銀魂」公開のために韓国訪問、
津田さんとのトークショーと、にわかに忙しくなっていますが、
「風色の椅子」としては、本当に本当に今更ですが、
まずは「BORDER 贖罪」の感想を書きたいと思います。


BORDER 贖罪


濃密な息苦しい緊張感に包まれて、物語は進んでいきました。
金城さんらしい、一筋縄ではいかないラストで、深く重い内容でした。
そして小栗くんの哀しみを纏った演技が、本当に本当に素晴らしかった。
私は、2回目を観たとき、もうストーリーはわかっているのに、
あの最後、取調室から出てきたシーン。
雨が上がり、窓から差し込む光に縁どられた石川の姿に、
涙がこみ上げてきてしまいました。
ああ、もう彼は一人で生きていくと決めたのだなあと、その覚悟が悲しくて。
どうして石川だけ、こんなに過酷な人生を歩んでいかなくてはいけないのだろう。
待っていた、市倉班長、立花、比嘉のところへ向かう、
高い背、細身で長い足の、美しいことがかえって仇となるような、
その美しい後姿に、また涙が流れました。
石川は、神様にも悪魔にも愛されてしまったのではないか。
まるで、オスカー・ワイルドの「幸福の王子」のように、
人の幸せのために、王子自身はただボロボロに傷ついていくだけの人生。
でも傍らには、王子の手となり足となったツバメが一羽、いましたよね。
そのツバメは、赤井、鈴木、サイくん、ガーくんになるのかな。


石川「どうして俺を助けた。目的はなんだ」
赤井「私たち自身のためです。ご存知のとおり、
    私たちは闇の世界で生きることを決めた人間たちです。
    ただそんな私たちでも、ときどき無性に光が見たくなる。
    いつも心のどこかで、自分たちが犯した罪を贖える機会を探していたんです。
    そんなときにあなたに出会った」
サイくん「僕ちの白馬に乗った騎士」
スズキ「それはカッコよすぎでしょ」
ガーくん「僕たちが初めて信用した警察官」
石川「俺は、ただの人殺しかもしれないんだぞ」
赤井「あなたがただの人殺しだということがわかったら、私たちが責任を持って、
    この社会から抹殺してさしあげますよ。
    それまであなたは正義を実践し続けなくちゃならない。
    闇の世界に住む私たちの希望であり続けなくちゃならない」


光であり続ける、希望であり続けることは、とても辛いことだと思います。
でも彼らなりに石川のことを思ってくれていた。
もちろん市倉班長も立花も比嘉も、とてもとても石川のことを思ってくれていて、
その思いがより伝わってきたスペシャルドラマでもありましたね。


市倉「落ち着いて記憶がきちんと整理されるまではな、迂闊に口を開くな。
    わかったな」


比嘉「本当は、聞きたいことがいろいろとあったけど。生きてるのがわかったから、
    とりあえずは話さなくてもいいや。こうしてるだけでいいよ」


そして立花は、崩れ落ちる石川を抱きとめてくれました。
(ここへきて、小栗くんが抱きかかえられるシーンがみられるなんて、
 嬉しかったです・笑)。
細身の小栗くんは色っぽくてぐっと来ます。
やはり私の好みとしては、このくらいの細身が好きです(笑)。


一番辛い選択を、でも覚悟を決めて行った石川。
グレーになったスーツの色。
彼は正義と悪、光と闇のボーターライン上で、生きていく。
これからも身を削って、正義を積み上げていき、
死者の無念をはらしていく。贖罪の意味を問いながら。


それにしても、こういう演技のときの小栗くんは本当に秀逸だと思います。
彼の真骨頂を見せていただきました。
泣き叫ぶのでもなく、感情を爆発させるのでもなく、
でもそれはそれは繊細に、その瞳の翳りから、儚げな佇まいから、
ささやかな微笑みから、手に取るように、石川の感情が伝わってきました。
やはり凄い俳優さんなんだなあと、改めて思いました。
まわりの俳優さんたちも、皆さん、素晴らしく、
あの3年前の最終回のあの直後から始まるのに、
以前の映像をはさみながら、今の映像を見ても、
小栗くんはもちろん皆さん、全然違和感なくて、凄かったです。
國村さんもさすがでした。
上手い俳優さんたちの演技は引き込まれますよね。
本当に素晴らしい「BORDER 贖罪」でした。
実はあの凄いラストからの物語なので、
蛇足にならないか心配していたのですが(すみません)、
予想を上回る作品になっていて、とてもよかったです。
深く哲学的な物語を観ると、満ち足りた気持ちになります。
やはり才能のある力のある作家さんとの出会いは、
彼の魅力を活かしてくれ、より魅力的に魅せてくれていると思います。
哲学的で深みがある作品の中心に、小栗くんがいること、
本当に喜びを感じます。
あ、高橋洋さんとの共演は、あら、アンティフォラスとドローミオだわって、
懐かしかったです。
しかしあの終わり方だと、続編できそうですよね。
久高監察管理官は、石川を、
「あとはじっくりと追いつめるだけだ」と言っていましたし、
また石川安吾に会いたいなあ、小栗くんは大変そうですが(笑)。
神にも悪魔にも愛された、正義と悪、光と闇、そんなBORDER ライン上にいる、
石川安吾の行く末を見届けたいです。


それではこれからも私なりのペースでぼちぼち書いていきたいと思っていますので、
よかったらお付き合いいただければ嬉しいです。
よろしくお願いいたします。