風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

大河ドラマ 鎌倉殿の13人 第22回

雨は上がってきましたが風が強いです。

「鎌倉殿の13人」第22回を観ました。不穏な動きもありましたが、

悲しみの中にも温かさ優しさがあった回でもありましたね。

まず冒頭のシーンでもう涙が出そうでした。

八重さんの最後の言葉が「充分楽しかった」「とっても満足」というもので、

それを聞いた義時の心に少しの安堵と少しの光が差したかなと思いました。

しかし本当に義時のやつれ方と終始悲しみを湛えた瞳が切なかったです。

でも淡々と時が流れていく中に身を委ねる義時は儚く美しくもありました。

そんな中、金剛への言葉。

 

義時「よいか。金剛。鶴丸を恨んではならぬ。

   鶴丸を憎む暇があるのなら、その分、母を敬え。

   母がしてきたことを思い出すんだ」

(頷く金剛。父の胸元へ。その金剛をしっかりいだきながら)

義時「父が、おまえを育て上げてみせる」

 

「鎌倉殿の13人」の公式ツイッターに、

小栗くんのインタビューがUPされていたのですが、

金剛のことを「忘れ形見」と言っていて、本当に本当にそうだよねと、

忘れ形見という言葉の重さと悲しさがとても伝わってきました。

そしてこのツイッターのインタビューは、いつも改めて、

声がいいなあと思ってしまいます(笑)。

そんな忘れ形見の金剛へ、鶴丸のことを憎むな、母を敬えと言う義時は、

とても立派だと思います。素直に聞く金剛もとてもいい子です。

そして義時と姉上政子のシーンも凄く素敵でしたね。

 

義時「子供たちと接していると、自分が幼かった頃のことをやたら思い出すんです。

   姉上にはよく、首をしめられてました」

政子「しめてたわねえ」

義時「あれはどうして?」

政子「わからないのよ。顔を見ると何故かしめたくなるの」

義時「ひどい・・・」

政子「くーっ!」(笑顔で義時の首をしめにかかる政子)

義時「ぐっ、やめてください」

・ 

政子「また来ます!」

義時「その格好、懐かしいですね。私はそっちの方が好きだな」

政子「実は私も。動きやすいんですもの。

   またね」

(義時、微笑みながら深々とお辞儀)

 

御台所然とした格好ではなく、昔のあの頃のような着物で、

さりげなく元気づけに来てくれた政子。優しいですよね。

最後の義時の深々としたお辞儀が感謝の思いが溢れていると思います。

そしてよく首をしめられたって(笑)。

でもこれ、なんとなくわかる気がするんですよね(え?笑)。

可愛くて可愛くてつい首をしめたくなっちゃう?

少し年の離れた弟がとっても可愛かったんだと思います。

そんな微笑ましい姉と弟。今は二人とも要人のような地位で、

田舎の小豪族だった頃の姉と弟に戻ったみたいな時間だったのかなあと思いました。

素敵な姉と弟でしたね。

もうひとつ。義時にとって光が差すような出来事がありました。

金剛とともに安達殿と弥九郎に謝り、屋敷を後にするシーン。

金剛を肩に抱えていた義時の前に現れる鶴丸

 

義時「どうした、鶴丸

鶴丸「金剛は私を守ってくれたのです」

義時「おまえを?」

鶴丸「弥九郎がみなしごとからかったので、金剛は私のかわりに殴ってくれたのです」

義時(抱えていた金剛へ)「そうなのか?」

(頷く金剛。笑顔とともに金剛の頭を撫でる義時)

義時「遅くなった。夕餉にしよう。腹もすいたろう」

金剛・鶴丸「はい!」

鶴丸も肩に抱えた義時。義時は両肩に金剛、鶴丸を抱え立ち去っていく)

 

このシーン、とても素敵でしたね。

義時と金剛は夕日に縁取られていて限りなく優しく、

夕日に光る後れ毛さえも愛しかった。

父上の言いつけを守り、思いやりを持って真っ直ぐに育っている金剛は、

その温かさを確かめるように抱きかかえられていて、

そこに正直に言ってくれた鶴丸も加わって、両肩に二人は重そうだけど、

それぞれの体温が伝わってきて、それが嬉しかっただろうなあと思いました。

八重さんの思いも繋がっている実感もあっただろうし、幸せな3人の後ろ姿でしたね。

父上の背中、温かで優しく格好良かったです。

義時はこれからまたダークサイドに落ちるかもしれないけれど、

幼い頃から姉上とかにたくさん可愛がられて、

そして金剛を正しく導くこともできる人で、

だからその正しさ、繊細さゆえに苦しむんだろうなあという、

そういう義時なのだなあということがよく伝わってきます。

それは小栗くんが演じているからこそかなと思います。

いっそのこと、悪い奴に振り切ってしまえば、

演じる方も見る方も楽かもしれないけど、人間は複雑ですものね。

そこの揺らぎ、そうするしかなかったとその思いが私たちを苦しくさせます。

でもこの金剛を見てると、きっとどんなことがあっても、

父上の味方になってくれるのではないかと、というか父上のことを、

わかってくれるのではないかとそんな思いがしました。

そうそう、初登場の比奈ちゃん。言葉とは裏腹に、ちょっと義時のことが、

気になっているような気がしたのですが、どうでしょう(笑)。

さて来週は万寿も金剛も大きくなって、大変な出来事も起こりそうで、

また来週も楽しみにしています。