風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

大河ドラマ 鎌倉殿の13人 第30回

よく晴れた一日でした。

まず舞台「ジョン王」、愛知公演はやはり御園座でした!とっても嬉しいです。

昔、歌舞伎を観に行きました。

無事に全公演、上演されますように、無事に観劇できますように願っています。

本当に本当に楽しみです。

 

さて「鎌倉殿の13人」ですが、昨日ツイッター界隈で、#鎌倉殿甲子園 という、

タグができていて、楽しく読んでいたのですが、

このタグは悲しい第30回への現実逃避と書かれていた方がいて、

まさしくそのとおりのとても悲しい回になりました。

「鎌倉殿の13人」第30回を観ました。

ボロボロ泣いてしまいました。全成さん、あんなにいい人だったのに、

これは大河ドラマの醍醐味でもあると思うのですが、

全成さんのこと、何ヶ月も私たちは見てきているんですよね。

だから全成さんが、一番欲が無くて、一番権力争いから遠く、

でも人がいいから頼まれたら断れなくて、ただ実衣ちゃんのことが大好きな、

ときどきトンチンカンなお坊さんであることは誰もが知っていることなのです。

そんな全成さんが、北条、比企、両方から呪詛を頼まれ利用され、

とうとう壮絶な最期を迎えることになってしまいました。

全成さんの「誰も恨んではいけないよ」がなんて優しく慈悲深く響いたことでしょう。

全成さんの最期の様子を聞く実衣。

夫の誇らしい姿、「やってくれました。最後の最後に」泣き笑いのような表情に、

こちらも涙が溢れました。

あなたは見掛け倒しだからなんて実衣は言っていましたが、

信じていたんですよね。誰よりも。

夫は風を起こし激しい雨を降らせ雷を落とし、そして流れる血を見て、

赤が似合う実衣を実感し、力のかぎり「実衣〜!」と叫びました。立派な最期でした。

新納さんのインタビューの中の、全成は「ただ実衣を愛していただけの男」という、

言葉を聞いて、また涙が流れました。

本当に素敵な温かなちょっとお茶目な彼らだけの世界があった、

全成と実衣夫婦だったと思います。

そんな状態になってしまい、政子が義時に言います。

 

政子「小四郎!こんなことがいつまで続くのです」

義時「私に言わないでください!」

政子「なんとかなさい!」

義時「一体何が出来るというのですか!」

政子「私だってわからないわよ。考えなさい。・・・私も考えます」

 

これは以前上総介が討たれたときのように、また一つの義時の分岐点に、

なっていくような気がします。いよいよ覚醒でしょうか。

妻の比奈にはこう言いました。

 

比奈「お呼びでございますか」

義時「そこに座りなさい」

比奈「何でしょう。あらたまって」

義時「おまえに伝えておくことがある」

比奈「覚悟はとうにできております」

 

彼女の言葉を聞いた義時の表情がとても切なかった。

比奈ちゃん、好きなんですけど。八重さんの後、立派な妻でしたよね。

可愛らしく愛嬌もありしかし強さもあって、でも離縁なのかなあ。

義時は今、調整係のような位置で、義時自身に権力欲というのは無いんですよね。

この義時が上り詰めていくにはやはり説得力のある何かが必要、

ということはこういう悲しい出来事がきっかけになりますよね。

力が拮抗している集団をまとめるには、より大きな力が必要で、

義時はその大きな力の一端を担っていくことになるのでしょうか。

それにしても義時、すでに貫禄があって凄みも出てきました。

あの山ほどのきのこを抱えたぱやぱや髪の純粋そうな義時の面影は、

どこにもありません。

小栗くん、素晴らしいです!

こういう変貌していく役は役者さんとしてはやりがいがありますよね。

それも1年通して演じていける、宝物のような経験ですよね。

他の方々も皆役柄にピッタリで、お芝居も上手くて、

だからどっぷり物語に身を委ねて、役柄に感情移入できて、

しかも三谷さんはどんな役にも愛を持って描かれているので、

役がちゃんと息づいていて、愛しいなあという部分が必ずあって、

凄いなあと思います。

「鎌倉殿の13人」本当に毎週毎週楽しみにしています。