風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

義時を「当たり役」にする凄さ

曇り空です。

小栗くんの興味深い記事が出ました。

 

「疲れちゃったなあ」小栗旬が背負う40歳の迷い・・・「鎌倉殿」義時を“当たり役“にしても思わず本音を吐露したワケ

https://bunshun.jp/articles/-/63840

今、中堅俳優のリーダー格として注目されている小栗旬。2023年6月8日、所属事務所トライストーン・エンタテイメント2代目代表取締役社長に就任し、様々な方向から注目が集まっている。賛辞も期待も感謝も、嫉妬も批判も攻撃も、まさに「様々」だ。

本人が一番その視線を感じているのだろう。約1か月前、5月28日に放送した「まつもtoなかい」(フジテレビ系)で、ゲストとして出演した小栗旬は、「何か新しいことというか、打破しようという電波を常に立てているように感じるのだけど、そういうのを考えているんですか」と言う中居正広の問いに、こんな風に呟いていた。

「少しだけ自分が、なんか疲れちゃったなぁ」

さらに落ち込むときはすごく落ち込む、というトーク松本人志は「小栗君でも落ち込むの」と驚いていた。ただ、見ているこちらとしてはあまり意外ではなく、小栗旬は「疲れる、凹む」がわかりやすく出るイメージがある。遡れば、2007年の「情熱大陸」は疲れと苛立ちを露骨にカメラの前で出して話題になっていたし。

「なにかを打破したいという気持ちはある」とも話していたが、彼の場合、芸能界を自分の手で積極的に変えたいというより、漠然と「自分がすべきなんだろうなあ」と察知している風に見えるのだ。

頼られる存在に成長し、迎えた40歳のターニングポイント。周りを見渡せば、時代と共に急速に変わっていく業界やモラル、コミュニティの在り方。そして気がつけば自分がその変革期のど真ん中に位置し、改革を求められる――。

「正直、どうすれば(いいか)わかんない」と、ちょっと遠い目になっている小栗の迷いは、40代という働き盛りの世代の迷い、また、今の時代の迷いそのものに見えた。彼が主演をつとめたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の「ここは鎌倉」――この一言で不条理が通ってしまうあの時代と、現代はちょっと似ているかもしれない。

ー義時を「当たり役」にする凄さー

2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は素晴らしい作品だったが、北条義時小栗旬じゃなかったら、ここまでヒットしただろうか、と思う。ただ、私がそれを思ったのは、放送が終了してからである。余韻と共に、義時がジワジワと思い出されるのだ。時間差でやってくる存在感!

 

結局全話が終わったあと、頭に浮かぶのは、小栗が演じた、義時の苦悩の顔なのだ。「ストレスの擬人化」のようなこの役は、スター性とともに「疲れ」を出せる小栗旬だからこそ、と思うのだ。

 

また、日本アカデミー賞で優秀主演男優賞を受賞した2020年、映画「罪の声」では、ある事件を追う新聞記者の役を演じていた。小栗が事件を紐解く形で物語が進むのだが、見終わった後、まさに新聞を閉じたように、新聞記者の小栗の印象がふっと消える。ただただ、事件に巻き込まれた人のその後と、事件の後味が残る。これはすごいと思った。“小栗旬”という強烈なインパクトと認知度を持つ彼だが、「引く」演技をすると、ストーリーに溶けるように存在が馴染み、それにより全体が調う。

 

聞き上手というより、きっかけ上手。彼が作ったきっかけで、周りが自分の話や個性を出していくイメージだ。同時に、小栗は今、自分の話をするより、人の話を聞くほうがラクそうだとも感じた。自分の話をするときは、本当に言葉選びに慎重である。

 

世の中、情報ばかりが溢れ、疑心暗鬼が膨らみ、思わぬ方向に進んでいく。小栗旬は昨年の「鎌倉殿の13人」で、義時を通して、その極限の世界を疑似体験したようなもの。それを終えて現実に戻ったら、別の戦が待っている。「(大河ドラマを)一区切り、と思って進めてきたら、ここから先の課題が多い状況で、『まだやるんか』と」という彼の言葉はもう叫びだろう。そりゃもう疲れるはずである。

 

「逃げたい人だから、逃げずに向き合っている人に興味がある」とも話していた小栗。元来、逃げたい人なのだ。

「小栗君はいろんな開拓をこれからしていく人だから、疲れちゃったとか、ちょっと聞きたくない」という中居に、明るく、しかし真面目に「そういう時に、相談できる方っていらっしゃいますか」と問う。「俺疲れちゃった、と誰に言うのがいいのかな」と悩みを口にする。

 

なんとなく観ていたが、案外、これが彼の「改革の一歩」なのかもしれないと思った。

 

共感する部分がたくさん出てきた記事でした。

まず「鎌倉殿の13人」、放送終了後に余韻と共に、義時がジワジワと思い出される、

時間差でやってくる存在感!〜という部分。まさにそうですよね。

そうです、存在感!なんだかまだずっと義時と一緒にいるような気がします。

私はやはり最終回が、本当に逆転さよならホームランだったというか、

あのラストシーンで、ああ、これは義時の物語だったんだなあと凄く実感しました。

最後の最後に「鎌倉殿の13人」全体が義時によって、見事に縁取られていくような、

それは心震えるほどの感動と溢れる涙とともに、やっぱり最終回って大事ですよね。

あの終わり方は大河史上に残ると思いますし、誰も真似できないと思います。

その余韻とともに、若い頃の若苗色の衣装の義時の笑顔や、だんだんとその衣装が緑に、

深緑に漆黒に変わっていく義時の苦悩の表情等、いろいろな場面が思い出されて、

本当に素晴らしい素敵な作品だったなあと思いました。

そして「罪の声」の引く演技についても、共感しました。

ストーリーに溶け込むように存在が馴染み、それにより全体が調う〜

本当にそうですよね。スター性も華もある俳優さんですが、

作品にちゃんと溶け込めることは小栗くんの強みだと思います。

力があってもこれ見よがしではなくナチュラルに見せられる品の良さもありますし、

繊細さも切なさもある小栗くんの演技は本当に魅力的だと思います。

40代を迎え、小栗くんの俳優としての魅力が倍々になっていくと思うので、

これから先も「鎌倉殿の13人」や「罪の声」のようなとにかく良質な作品に、

出会いますように、切に願っています!